この難しい団体名、どう読むのか分からないと仰る方も多いかもしれません。
Life Investigation Agency = ライフインヴェスティゲーションエージェンシー
と読みます。団体名を日本語に訳しますと「生物調査局」になります。みなさまからは愛称として「LIA(エルアイエー)」と呼ばれています。
当時、イギリスに本部がある世界最高峰の環境保護団体に所属して活動していた、現当団体のメンバーと私の2人で、2010年に立ち上げたNGO団体です。
LIAは「人類以外の生物種保存に貢献し、Investigation (調査) を主に行い、その生物種が現在よりも優れた生活を送ることが出来るようにするために、あくまでも生物救済を目的として設立され、VEGAN(純菜食主義者)メンバーで構成された営利を目的としない団体です。
具体的には、国内外の野生動植物種の保護、愛玩動物の保護、環境犯罪、動物犯罪の調査および警察や現地政府機関と連携した告発および摘発を行なっております。」
新聞記者の方やテレビ局からの質問で頻繁に質問されます。 日本は、自然環境に対する意識や、人間以外の生物に対する意識が物凄く低い国です。 「先進国」と呼ばれている世界中の国々の中で、こんなに意識が遅れ、また欠落している国民が多い国はありません。 勿論これを「先進国」という括りで考えなければ「アジア諸国全体」が非常に酷い状態だといえます。 私個人としては、このような国の国民の一人として、団体を立ち上げる15年以上前から、この現実を危惧しておりました。 毎日100種類以上もの生物が、傲慢で怠惰で欲深い人間の生活の犠牲によって絶滅しており、人間によって開発された新たな化学物質が次々に大気や水や土に垂れ流され、地球という惑星に生息している全種の生物の命を翻弄し続けています。
人間という動物は、本来、心臓が動き、肺で呼吸している「どうぶつ」ですから、生まれた瞬間から、死ぬ時に向かって、それぞれの限られた時間の中でいきています。
しかし、多くの人々が、その時間の中で真摯に、また精一杯に、他の命に迷惑をかけないようにしながら、尚且つ、充実した毎日を過ごす努力をして、死に向かって全力で生きてゆこうとするのではなく、毎日を欲深く、他の命の生きる権利を奪いながら、私利私欲の為に時間を浪費し「楽」な生活を送っていたり、人間の中でしか価値をもたない「金銭」に執着して生きていながら、自身の命のみに執着し、いざとなったら、延命に執着するような生き方をしているように感じます。
その結果、人間に食べられる為に強姦によって生まれさせられたり、一生涯を何らかのかたちで拘束され、囲われた環境の中での生活を強いられ、本来であれば、どの命も平等の権利が与えられ、自由に命を謳歌できる筈が、そんな権利は認められず、そんな時間は微塵も与えられず、常に支配され続け、自らのものでしかない筈の自らの肉体が、人間が食べる為の「食肉」としてしか考えられず、本来の寿命など、まったく全うする事も無く、首を刃物で切断させて出血多量で殺されています。 また「科学」などというものの中で実験室や試験管のなかで人間の手によって生み出されたり、改良された人工的な「いのち」たちが、人間の命と欲の為でしかない医療技術の向上や医薬品の開発、工業製品の製造や、化粧品の開発と販売の為に物凄い数の動植物たちが実験に使用され、多くの「命」が人間の為に生きているかのように「試験材料」や「開発材料」や「販売の為」の一部として扱われています。
そして、日本人の娯楽や飾り物の為に、日本から遠く離れたアフリカの地に、野性の中に生きるゾウやサイまでもが密猟され、殺され、絶滅の危機にまで追い込み、安価で安易な使用が可能な植物油製造のために、熱帯雨林は破壊され、公害物質は海に垂れ流され、海に生きる生物は命とすら考えられず「海洋資源」などと呼ばれ、人間が食べる為に盗りつくし、本質的には誰のものでもない筈の「大地」も「海」も「空」をも、勝手に分配し、支配し、許可が無いとその線を跨いで移動する事も許されず、世界中の生物を多大な命の危険や種の存続の危機に追い込んでいます。
この国の中で生きながら、仮に私たち二人だけだったとしても、この流れに逆らいながら歩き、自分たちの命を全うしながら、常に人間に虐げられる命の側に立って考え、具体的に行動できないか?と考えて立ち上げたのがLIAです。
現在では、私たちの想いに共感してくれた全国の純菜食主義の方々が活動メンバーとして加わり、国と県の認可を受けたLIAという法人組織の一員として、問題が起きている現場の最前線で活動しています。
野生の動植物のみならず、私たちの身近にいる犬や猫や兎や鳥や魚や虫たちたちも、私たちの税金によって殺されているような国の中で生活しながら活動しており、活動には終わりが見えない状況でとても過酷です。
LIAの活動は、潜入調査や刑事告発や摘発も行ないますし、災害現場などでの動植物の救出も行いますので、そういう場面で新聞やテレビなどで取り上げられる事もしばしばあり、労いのお声も頂き、大変嬉しく、また励みにさせていただいているのですが、私たちの活動の中で、最も過酷なのは、日本全国の「保健所や動物愛護センター」などで日常業務として殺処分されている動物達の保護飼育活動です。もちろんLIAでは、動物愛護法違反の現場や、鳥獣保護法違反の現場へも踏み込み、警察立会いのもと、犯罪者の手から動物たちを保護する事もあるのですが、それも、その場で保護する事は非常に容易い事です。それよりもなによりも、最も大変なのは、その命を繋いでもらう為の補助役として、毎日の給仕を行い、運動させ、健康状態と精神状態に配慮しながら、新しい飼育主さんの元に行けるように寄り添い続ける事です。 長野県内に設置しているLIAの動物保護施設での動物達の保護飼育という活動は、私たちの全ての活動の中で特別に過酷なもので、保護施設で飼育に当たっているメンバーたちには休日はなく、365日、朝から晩まで、給料も無く、自分たちの人生に与えられた時間を全て捨てて働き続け、そこにいる動物たちに奉げています。
潜入調査では、時として、反社会組織を仕切っているような危険な人物とも接触しますし、脅しや脅迫を受ける事もしばしばあり、また、動物たちがミイラ化していたり、白骨が散乱するような凄惨な現場に遭遇する事もある潜入活動ですが、それぞれの命は甦る事はなく、いのちを翻弄した人間への激しい憤りや失われてしまった命への謝罪の念と懺悔と、言いようのない悲しみなどがあるものの、「事件」には、刑事的な処分が下されるので、ある意味では、一段落という区切りが訪れます。しかし、毎日の動物保護施設での保護飼育活動には、現在の日本では、終わりがありません。一つの命に暖かいご家族の元で余生を過ごすという幸せな瞬間が訪れたとしても、次から次へと、人間の生活の犠牲になり、行き場を失った、日本人に殺されようとしている不幸を強いられた命が収容されます。この毎日には終わりがありませんし、一区切りなどありません。世の中が浮かれている連休も、正月も一切ありません。これが私たちの活動の現状です。 もしも、これをお読みくださいました皆様の中で、「私も何かしたい」と思ってくださる方がいらっしゃったとすれば、まずは、ご自身の生活から見直してみてください。
「いのちは、最も大切なもの」と言いながら、お金で命が売買される事に販売者として、また購入者として、関っていませんか?
「動物が大好き!、動物はかわいい!」と思いながら、動物を殺した肉料理を食べていませんか?
「命は平等だ!、自由であるべきだ!」と思いながら、動物性の副産物を食べていませんか?
「環境破壊を危惧」しながら、無農薬栽培で育てられた穀物や野菜や果物を買うのではなく、安くて見栄えが良い、農薬まみれで水と大地を汚染して作られた作物を購入していませんか?
「生物多様性や生態系の保全」を訴えながら、海の生態系の最大の破壊原因である漁業に加担し、魚介類を食べていませんか?
「山野の野生動植物の命」に想いを馳せながら、割り箸を使用したり、緑化と偽って、材木になる針葉樹ばかりを植林してきた林業に加担していませんか?
「地球温暖化や、地球の浄化作用である自然災害に危惧」しながら、エアコンを使い、自家用車に乗って生活していませんか?
これらは全て、あなた個人から、今すぐに始められる積極的な社会活動の一つです。
これらの取り組みを、今日から始めることもできます。ペットショップやブリーダーなどという命を利用してお金儲けをする人たちから動物を購入するのではなく、「保健所や動物愛護センター」などの全国各地にある殺処分施設には、殺されるのを待っている動物たちが沢山います。その命を家族として迎え入れるという事も出来ます。
身近で活動している信頼できる環境保護団体や動物保護団体に、寄付をして活動に役立ててもらうという事も出来ます。
しかし、大切な事は、実際に自分が行動する事です。現実に何かをする事。
あなたの頭の中で考えているだけでは、命は失われ続けます。
インターネットの世界の中や、ご自身の頭の中ではなく、現実の日本社会の中で、「自分一人が取り組んでも変わらない」などと始める前に諦めるのではなく、お一人お一人が、頭の中で思考を巡らすだけではなく、インターネットの中のヴァーチャルな世界で言葉や口先だけで問題を論じるのではなく、現実社会の中で実際に具体的行動を行う事で、個人個人の集合で作られている人間の世の中は少しずつ変わってゆきます。
人間はとても頭脳が発達した生きものです。
しかしその頭脳が、破壊したり、殺害したりする事に利用されるのでは、全く意味がありません。
私たちLIAメンバー一同、これからも、「まずは自らの生活を直視し、積極的に正しながら生きる」という基本的なことを忘れないようにしながら、地球の自然環境の為に、人間以外の生物の為に、常に邁進して行きたい所存にございます。
今後とも、何卒宜しく御願い申し上げます。
2015年12月16日
NGO Life Investigation Agency (LIA)
代表 ヤブキ レン